2011年01月21日
DrBarkleyのこと
 Dr.Robert BarkleyはDr.Pankeyから教えを受けたアメリカ歯科医師の一人です。
 そしてDr.Pankeyと同様に、Dr.Barkleyもまた、多くのアメリカの歯科医師たちに影響を与えました。
 彼の著書にSuccessful Preventive Dental Practiceがあります。その序章には、彼の生い立ちや歯科医になってからの歩みなどが書かれています。Dr.Barkleyはイリノイ州の小さな町で生まれ、そしてその地で開業しました。よりよい歯科医療を行おうと多くの研修会に出席し、勉強を積み重ねていきましたが、その結果は患者さんの口のなかに多くの病気を見つける事となり、治療費の見積額が増えていったのです。その事で旧友たちからは「高い歯科医」と噂されるようになりました。ある日昔チアリーダーだった女性がDr.Barkleyの診療所を訪れます。彼女はあまり裕福でなかったので、控えめの治療費を見積もったものの、それでも高額なものとなり、次の予約日には現れませんでした。そして彼女がその後、Dr.Barkleyの診療所を訪れた時には、さらに悲惨な状況になっていたのです。
 その事に非常なショックを受けたDr.Barkleyは自分自身の診療について大きな改革をしていきます。タイトルのPreventiveとは予防的と訳します。
 私は彼の本を読んだとき、まさに自分自身の体験とそっくりだと思いました。私自身松本という小都市で開業しています。そして私の診療所には高校時代の先輩や同級生が通ってくれています。
 私が予防について繰り返し書いているのも、しっかりとした治療(欧米でスタンダードに行われている歯科医療)を行おうとすると必ずしも保険ではカバーできないところが出てきてしますのです。だから悪くなる前に来院していただき、また悪くならないように通院していただくという事が本当に患者さんにより負担をかけないですむからなのです。

 
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