2010年06月10日
産經新聞の記事から 医療政策の台風の目
 6月8、9、10日と産經新聞 話の肖像画に国立がん研究センター理事長の嘉山孝正先生のインタビュー記事が載っていたので、その中から抜粋して紹介したい。
 嘉山先生は国立がんセンターの独立法人化に伴って発足する国立がん研究センターの公募に応じ、初代理事長になられた方である。先生はまた厚生労働省の中央社会医療協議会(中医協)の委員にもなっておられる。記事には中医協を'’医療の値段'’を決めるところと説明しており、医療政策の「台風の目」となっていると紹介している。

 先生は中医協において、ドクターフィー(医者の技術料)について主張したとある.そしてこれが認められなければ、先生自身が中医協に入った意味がないとも述べておられる。これまでの保険診療の中で医者の技術料が認められなかったこと。外保連(外科系学会保健委員会連合)が「手術台の4割が糸代」というデータを出し国民も正しい認識を持ったということも述べておられる。そして医療の透明度を増し、エビデンスベースド診療報酬(根拠のある医療の値段)にしたいと抱負を述べておられる。
 頼もしい限りでありぜひとも頑張っていただきたいと思う。ただ、ここに歯科についての議論が入っているのか?このような先生に対し、日本歯科医師会としてはどのように対応しているのであろうか?
 外保連が診療報酬の中の材料料についてのデータを出したというが、歯科においても、補綴、保存など診療報酬の中で材料費が多くを占める診療科は多い。その比は医科以上ではないだろうか。 しかし、それらの学会が材料費用と技術料の割合やそれにもとづく適正医療費を算定し、提示したということも聞かない。
 日本歯科医師会や歯科の学会は外保連が行ったような調査を行い、国民に向けてその情報をぜひ発信してほしい。そして、嘉山先生のような方とも連携し、歯科医療の向上に努めていただきたい。
 折しも、参議院選挙を控え、歯科医療界の代表を国会に送るべく運動がされているが、もっと国民に向けた運動を行ってもらいたいものだと思う。


 
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