2011年06月28日
あらゆる病気を退ける''よく噛む''習慣 
 『100歳まで元気の秘密は「口腔の健康」にあった!』青春出版の54ページから「あらゆる病気を退ける''よく噛む''習慣」という章があり、そこでよく噛むことがなぜよいのかについて書かれているので、以下要約して説明したい。

 まずよく噛むことによって、食物が細かくなるので、消化器官への負担が少なくなることが考えられる。
 次によく噛むことによって唾液の分泌が促進される。唾液には口の中の自浄作用があリ、また酸を中和する能力がある。つまり唾液の量の多い人、また中和力の強い人はムシ歯になりにくいということだ。新村歯科医院で行われているプリベンションプログラムでは唾液の検査も行っている。老化によって唾液が出にくくなったり、また降圧剤の服用で唾液が出にくくなることもある。このようなことも考慮しておかないと、ただ患者さんに歯をしっかり磨いてくださいという指導だけでは十分でない。
 また、唾液には抗菌作用がある。それにより身体に有害な細菌の増殖を抑えたり、虫歯菌、歯周病菌の増殖も抑えられる。
 このことに関連して、高齢者では誤嚥性肺炎という病気があるが、唾液が十分でていれば、感染を防げるとも記されている。しかし高齢になると噛むこと自体が難しくなる。そこで時には専門的な口腔ケアが必要になる。社団法人 全国老人保健施設協会が出している「家庭での誤嚥・誤飲を防ぐために」というパンフレットには2001年日歯医学会誌からの引用で継続的な口腔ケアをする事によって肺炎発症率が下がったというデータが記されている。歯科医は詰め物をしたり、入れ歯を入れればそれで終わりと考えられている方も多いと思われるが、私は専門的な口腔ケアによって患者さんとの継続的な関わっていく事の必要性があると考えている。
 またよく噛む事によって、満腹中枢が刺激されるため肥満予防にもよいという記述もある。
 このように''よく噛むこと''には様々な恩恵がある。ただここで私はよく噛むということは「比較級だ」ということをお伝えしたい。それはどういう事かというと、8回しか噛まない人が10回噛んだら、よく噛んだという事であり、さらに15回、20回と増やしていけば、さらによく噛んだという事である。本によっては30回噛んでから飲み込む事を推奨しているものもあるが、やってみると分かるがなかなか難しく、最初から嫌になってしまうか、長続きしない。それでは何の意味がない。
 またよく噛むためには食材を選ぶ事も必要だ。ハンバーグやコロッケでは少し噛んだだけで、ぐちゃぐちゃになるし、スパゲッティーやうどんばかりではろくに噛む事ができない。そこに行くと日本食は自然と噛まなければならないものが多い。またカレーなどでも具材を大きめに切っておけば、自然と噛む回数が増える。一言お断りしておくと、ハンバーグやコロッケ、スパゲッティーを食べるなと言っているのではない。現在のような変化した食生活の中で、それらを食べないでいるという事は難しい。少しづつ日本食を増やすなり生野菜を付けあわせたり、それぞれに工夫をすればいいのではないか。
 このブログを読んで何かひとつでもいいなと思う事があれば、少しづつ取り組んでいただければいいのではないかと考えている。



 
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