2013年06月13日
痛くないMI治療?
 MI歯科治療という言葉で、Google検索すると「痛くない」「怖くない」といったフレーズとともに、多くの歯科医院のホームページがアップされます。
 そして、多くの歯科医院が、「歯をなるべく削らない」「金属でははく、白い詰め物を詰める」ということが、書かれています。またMIという概念に対し、その医院特有の概念を述べている歯科医院もあります。
 
 F.D.Iの声明ではMIの基本的考え方について以下のように述べています。

 また愛知学院大学歯学部、保存学講座、富士谷盛興先生が、下記の論文の中で、F.D.Iの基本的な考え方について和訳しておられます。

 これを読めば、第一にムシ歯は、口の中の細菌によって起こるので、炭水化物の摂取を減らし、細菌叢を減じるプラークコントロールをしなければならない。
 第二にその為には患者さんの理解と協力が大切である。
 第三、コントロールできる範囲のムシ歯は、再石灰化をうながす。
 第四、これらを行った後、穴のあいたムシ歯には、必要最小限の量を削って処置をするというものであり、「できるだけ削らずに治療する」というのは、四番目の項目で,その前に必要な三つの項目があるのです。
 ですから、「痛くないMI治療」というものが、別個にあるわけではありません。仮に痛みが出た歯があって、治療するとなると、麻酔をする処置が必要となることがあります。なんでも、無麻酔で治療できるわけではありません。
 また、気になるところだけやって欲しいという方、もちろんご意見は尊重しますが、これはMIの基本的考え方とは反するものです。

 また、コンポジットレジンという白い詰め物の使用についてですが、以前のように金属の詰め物の場合だとそれが取れないように、ムシ歯以外の歯の部分まで削らなくてはならなかったのですが、コンポジットレジンでは、接着性があるため、必要最小限削ることで、すませることができます。ただし、ムシ歯が大きくなりすぎた場合では、今でも金属を詰めた方がよい場合もあります。

 MI治療については、これらの事をよく理解した上で,歯科医院選びをして欲しいと思います。
 当医院でもMIの考え方を基本としておりますので、「気になるとこだけ。1、2回の治療で」という方はご遠慮いただいた方がよいと思われます。

 

 
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