2013年07月17日
初期虫歯 自分で治療方針決める 産経新聞の記事より
 7月16日の産経新聞、医療欄に「初期虫歯 自分で治療方針決める」という記事が載っていましたので、ご紹介します。(なお記事については、下記のURLをクリックすれば読むことができます。)

 まず気になったのが、この記事の中で女性会社員の方が、半年おきに通っていた、会社近くの歯科医院から、自宅近くの歯科医院に変えたところ、計五か所の虫歯を指摘され、、約二か月かけて治療したということに対しての、患者さんのコメントです。
 患者さんは「前の医院では虫歯を見過ごしたのか、今回の医院が過剰に治療しているのかわからない」と言っておられます。
 このことが私にとっては、大変不思議なのです。というのは、私の医院では、かならずレントゲン写真と口の中の状態を示した写真をお撮りして、患者さんに確認していただきながら、説明するからです。患者さんは、ほとんどご自分の口の中の状態を見たことがありません。だから初めて見る自分のお口に「え!こんなになっているんだ!」とか「きたないですね。」などと感想を言われます。

 とくに新村歯科医院に、初めて来院された方では、写真を見ていただきながら、状態を説明していきます。つい最近来院された患者さんでは、写真を指さしながら「この部分の歯の色と、この部分の曲線が気になるんだ」ということをおっしゃられました。
 定期的に来院されている方では、「あまり進行は見られませんね」あるいは「今回は前回に比べ変色とレントゲン上の変化があるので詰めるようにしましょう」などその人に対応した処置をおこなっています。
 つまりご自分の状態を確認されたのちに、治療するか経過観察をしても大丈夫かの判断をしていきます。つまり会社近くの歯科医の先生も、自宅近くの先生も、その患者さんに対してどのような状態かを説明されていないように思えるのです。そのことが大変気になりました。

 もうひとつ、東京医科歯科大学の田上教授が大変大切なことを言っていらっしゃいます。
「虫歯の進行速度は個人差があり、体調や食生活でも変化する。」
 そうなんです。継続して、新村歯科医院に通っていただいている患者さんでは、その方の口以外の部分も診ることができるようになるのです。
 虫歯以外で、プラーク(口の中に常に存在する、虫歯や歯槽膿漏の原因となる物質)の付き具合が増えたり、歯肉からの出血が増えた方には「最近忙しいですか?」などとお聞きします。すると患者さんから「最近新しい部署に配属されて」とか「介護が大変で」などというお応えをされることがあります。そして歯科の問題が起きて、さらなるストレスが増えるようならば、治療を提案することもありますし、そうでないなら、「大変ですが、頑張ってください」と言ってまたの来院をお約束しています。継続して通っていただくことで、初めて体調の変化や食生活の変化などを見ることが切るのです。

 ただ、何年にもわたって、問題のない方では、たまに虫歯を見逃すということがないではありません。(五か所というのは考えられませんが)慢心です。先日「今でしょ!」で有名な林先生が、ご自身についての慢心を戒めておられましたが、この記事と、先日見た林先生のテレビ番組が、私自身の慢心を戒めているものだとした、素晴らしい記事に出会えたことを感謝し、今後さらなる精進に勤めたいと思います。


 
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