2016年10月04日
大切な方を窒息死から守るために 舌の筋トレ知ってますか?

 高齢者の家庭での事故死のうちで最も多いのが浴室での事故死で32.3%ですが、次に多いのが誤嚥等による窒息死で30.8%とほぼ同じくらいの割合です。(社団法人全国老人保健施設協会のパンフレットより)

 浴室での事故死はマスコミなどでよく取り上げられるので、気をつけられている方も多いと思いますが、誤嚥についてはどれほどの方が注意を払っていることでしょう。ましてやどのように防ぐのかということについてはご存じない方のほうが多いと思われます。そこで参考として以下の記事をご紹介します。

 

 日本経済新聞NIKKEIプラス1(2016年10月1日)に「舌の筋トレ知ってますか?」という記事が掲載されていたので、ご紹介いたします。

 腹筋などの筋トレはポピュラーでも、舌の筋トレなどということを聞かれたことがあるという方は、ほとんどおられないと思います。

 では舌の筋トレはなぜ必要なのか?またどのように行うのかについて、記事を要約して説明したいと思います。

 

 残っている歯の本数が20本以下になると自分の歯だけでは食べることが難しくなるので、8020運動といって、80歳になっても20本の歯を残そうという運動が行われてきました。しかし日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の菊池武先生によると、「歯がたくさん残っているのに食べる機能が落ちてします人が少なくない。舌の重要性に注目が集まってきた」ということです。

 つまりかむという機能が十分発揮されるためには、歯だけでなく舌の役割が重要だということです。また舌は飲み込むときにも大切な役割を担っています。

 加齢とともに、筋肉は衰えていきます。足腰の筋肉の衰えによって歩行が困難になります。同様に舌は筋肉でできているので、舌の筋肉の衰えによって、うまく食べることができなくなります。食べこぼしや誤嚥によるむせなどが起きやすくなったら、それは舌の筋肉の衰えのサインです。出来ればそうなる前に舌の筋トレを行い、誤嚥による窒息事故を防ぎましょう。

 舌の筋トレとしては「あいうべ体操」というものがあります。具体的な方法は下記のサイトでご確認ください。また「あいうべ体操」に関しては書籍も出版されていますのでそちらをご覧になるのもいいと思います。

http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/15/040600008/041500006/

 

 また菊池先生は舌の筋肉の衰えを防ぐ方法として、日常での注意も必要として、「家から出て人と話し、会食するなど生活の中で舌を使う機会を減らさないように」とアドバイスされています。

 口から食べられなくなることで。口の中の衛星環境が悪化したり、または誤嚥等により誤嚥性肺炎の危険性が高まります。日本呼吸器学会のホームページによれば、日本人の死亡原因の第4位が肺炎であり、高齢者では70%が誤嚥に関係しているとの記載があります。

(日本呼吸器学会http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=11

 このことを考えると、舌の筋トレは本当に大切なことだと思います。


 
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