2017年01月31日
日本人の歯が失われる残念なステップ その2詰め物が取れた時

 現在も多くの歯科医院では、虫歯ができた時の詰め物の治療にはインレー修復と言って、金属を詰める手法を採用しています。

 この方法は50年以上の歴史のある(治療法として確立された)手法であり、間違った手法というわけではありません。

 ただこの手法の欠点の一つは、歯の色と違っているために、見た目が損なわれるということがあります。これは保険外の金合金でも同様です。

 二番目の欠点は、歯科用セメントという材料を使って歯と金属をくっつけているという点です。専門用語では合着と言います。歯と金属を化学的にではなく、物理的にくっつけているということです。そのために外れる危険性があるのです。

 三番目の欠点は、外れにくくするために、ある程度健全な歯の部分を削っていかなくてはならないということです。(詰め物が1,2年で取れるということは、多くの場合削り方のデザインが間違っているということです。)

 このような欠点があるために、新村歯科医院ではコンポジットレジンという合成樹脂を詰める方法を採用しています。

 

 さて、前置きが少し長くなりましたが、ここからが今日の本題です。インレー修復という手法では取れることもあります。詰め物が取れてすぐに来院していただければ、もう一度再使用する可能性が高いです。

 しかし、残念なことに取れてしまうのには、それなりの原因があることが多いです。例えば歯と詰め物の間が欠けてしまっている。その上なかで虫歯が進行しているというケースです。この場合新村歯科医院でも、以前ではもう一度歯を削って型を取りインレー修復を行うということを選択していました。

 しかし。この方法ですと歯を大きく削るためにやがて神経をとる可能性が高くなります。神経をとると枯れ木と同じで、歯がもろくなり、欠けて抜歯になる可能性が高くなります。

 もし仮に1,2年ごとに詰め物が取れて、そのたびに新しく削ってインレー修復を繰り返ししていたら、その頻度だけ抜歯の可能性が高くなるということです。

 新村歯科医院では現在とれた詰め物と歯の間に隙間ができていても、また仮に虫歯ができていても、その部分を処置して、詰め物にがたつきがなければ、いったん再装着します。そして後日歯と詰め物の間にできた隙間をコンポジットレジンでうめるという手法をとっています。この方法ですとあまり歯にダメージを与えず、神経を守り歯の寿命を延ばすことができます。

 しかし残念ですが、あまり長い間放置しておくとこの方法を採用することができません。詰め物が取れたら早期に来院されることを希望します。


 
ボットからトラックバックURLを保護しています