下の写真は医歯薬出版株式会社の「天然歯の科学」に掲載されたものですが、シェードマッピングという測定器具を用いることにより、歯の色を正確に測定できるということです。
写真をご覧になるとお分かりなように、その色調は非常に複雑で、これを正確に再現することは大変難しいと言わざるを得ません。
以前ダイレクトボンディングに関する本を読んでいて、ある先生がこれと同じように、歯の表面をそれぞれ色分けして修復している症例を見たことがあります。
ただ、この方法は非常に難しく、また時間のかかるもので、特別な才能を持った先生のみが再現できるものだと思います。当然それに伴い費用も掛かります。
しかし、Bio-Emulationは天然歯の構造を模倣することで、その色調の再現を目指そうとする方法です。
象牙質、エナメル象牙境、エナメル質の三層構造とそれぞれの色調の違いを積層充填することで、光の屈折や透過により、色の再現をするというものです。
前歯の場合は、さらに象牙質、エナメル質を二層に分けて積層することもあります。すなわち五層構造となるので、Penta(5)-Laminaとなるわけです。
もちろんBio-Emulationも手法を習得するのには、訓練が必要ですが、理論とその手技をマスターすれば、歯の表面を測定器に従って複雑に充填するものに比べれば容易と言えます。
より高い審美性を容易に、より短い時間で、より安価に提供したいという私の思いにマッチした手法と考え取り組んでいるゆえんです。
TrackBack (0) | by pl_A-02219
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