7月16日、17日の両日にわたり株式会社GC主催による「MI修復セミナー2Daysコース〜MIコンセプトに基づく審美修復テクニックのご提案〜」が開催され、参加してきました。
講師は日本大学歯学部保存学教室、教授宮崎真至先生でした。今回のテーマは審美修復テクニックということですが、それらについてご報告する前にMIについて述べておきたいと思います。
MIとはMinimum Interventionの略で、日本語ではう蝕管理における最小介入と訳されています。詳しくは下記のサイトをご覧ください。
https://www.quint-j.co.jp/web/keyword/keyword.php?no=38081
宮崎先生も講義の中で「う蝕は脱灰と再石灰化を繰り返す疾患であり、脱灰が進行すると修復が必要になる」とおっしゃっていました。
これは具体的にどのようなことかと言いますと、むし歯菌によって形成されたプラークが産生する酸によって一度歯の表面が溶け出しても、唾液の中の成分によって再石灰化、むし歯の表面が元に戻るということです。
しかしブラッシングが充分でない、甘いものを食べ過ぎるなどプラークコントロールが出来ていないと、むし歯が進行して、穴が開き始めるということです。
多くの患者さんは、穴が開いたり、歯が痛くなってから来院されますが、自覚症状の出る前に定期的に歯科医院に通い、プラークコントロールの技術を向上させ、もし食生活に問題があるなら、それを改善しPMTC(歯科衛生士による専門的な歯の清掃)をしていくことにより、歯を削るというリスクはかなり低くなります。
また仮にむし歯が出来ていても、エナメル質にとどまっているなら、フッ素塗布とPMTCを行い、そこにとどめておけば、歯を削ることもありません。
仮にむし歯が象牙質まで進んでいたとしても、現在ではむし歯学と歯科材料の進歩により、むし歯の部分だけ削り、そこを修復するだけなので、痛みを軽減することができます。
多くの患者さんは、まだ歯科治療を痛いものと思われていますが、現在ではかなり軽減されているということです。もちろんMIに十分配慮している歯科医院においてという条件は付きます。
二日間のセミナーの初めにう蝕のサイクルについてお聞きする事により、改めてプラークコントロールや定期健診の重要性を再認識することができました。