2017年07月31日
MI修復 私がインレー修復(奥歯の銀の詰め物)をやめたわけ

 私が本格的にMI修復に取り組んだのは2006年に当時所属していたスタディグループの勉強会が東京で開催された時から始まります。

 その時見たスライドがあまりに衝撃的だったからです。そのスライドと同じ内容のものを下にアップしました。(猪越重久のMI臨床 接着性コンポジットレジン充填修復 デンタルダイヤモンド社から 新潟大学福島正義先生の厚意によりとの注あり)

 

 赤い色素が見えると思います。健全象牙質に切り込んだ形成という矢印の部位は、色素が歯髄ー歯の神経ーに到達しています。一方感染象牙質のみ削除という矢印の部分は、一部に赤い色素がみられるものの歯髄には到達していません。

 これにはどのような意味があるのでしょうか?インレー修復では、その詰め物が取れないようにするため、どうしても健全歯質まで削らなくてはなりません。その多くは健全象牙質まで削ることになります。色素が歯髄まで浸透しているという事は、むし歯菌も侵入する可能性があるということです。歯髄が感染し炎症を起こし、後に歯が痛くなる可能性が高まるということです。

 またインレー修復は、間接法といって、型をとって後日詰める手法です。その間も感染の危険性があるということです。もちろん新村歯科医院では、インレー修復を行う場合は歯の表面をコーティングして、感染対策をしていますが、それでも危険性がないわけではありません。

 しかしMI修復の場合は、感染した部分しか削りません。したがって歯髄まで菌が侵入する危険度はかなり軽減されますし、その日のうちに詰めてしまうので、インレー修復に比べれば、危険性はほとんどないと言っていいくらいです。

 もちろんMI修復で、樹脂による充填を行うと見た目も自然観があります。しかし最も大切な事は歯の神経を守り、再治療の危険性を少なくするという点だと考えています。

 

 新村歯科医院では、以上の理由で再治療を除き、ほとんどインレー修復を行うことはなくなりました。

 

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