2017年08月01日
MI修復 最小限の治療介入で痛みの軽減

 以前のブログで取り上げましたように、私が本格的にMI修復に取り組み始めたのは2006年からでした。国際歯科連盟(FDI)のPolicy Statementが発表されたのが2002年ですから、4年も遅れているわけです。

 Statementの発表後、日本の歯科雑誌に、よく特集が組まれ症例が掲載されていたのですが、それを見た時の正直な感想は「パッチワーク」つぎはぎ診療というイメージでした。

 取れた詰め物の端が合っていなかったら、「きちっと合った詰め物を作り直す」それがよいと考えていました。ただその考え方は古い時代の「正しさ」だったのです。歯の神経を守るというMIの精神を十分に理解していなかったと今では思っています。

 

 そして、もう一つ。こちらの方がより強い理由だったのですが、当時他の歯科医院で、奥歯にコンポジットレジンという白い合成樹脂を詰めた症例で、上から見ただけでは分からないが、レントゲン撮影を行うと、詰め物の下で虫歯になっているものが多かったのです。

 当時私はそれをコンポジットレジンという材料の強度不足と考えていました。しかし多くの文献を読み、またセミナーに参加することでわかったのは、詰め物の下にむし歯が出来てしまうのは、材料のせいではなく、術者つまり歯科医師のテクニックエラーによるものだということでした。

 それ以来各ステップに細心の注意を払いながら、MI修復に取り組んでいます。

 

 


 
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