一般治療
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口の中の主な病気は、むし歯と歯周病(いわゆる歯槽膿漏といわれているもの)のふたつで す。ここではこの二つの病気の治療について述べていきます。その前に、歯の構造と歯がどのように口の中で存在しているのかについて、図を使い簡単に説明い たします。 
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図に描かれているように、歯は口の中で見える部分の歯冠と骨の中に埋まっている部分の歯 根の二つに大きく分かれます。そして歯冠は外側から硬いエナメル質、その内側に象牙質があり、それらに囲まれて歯の神経があります。歯根部分については歯 周病の説明の際に一緒にお話していきます。なおむし歯にしても、歯周病にしてもその原因は細菌が作り出すプラークによるので適切なプラークコントロールの 方法と習慣を身に着けていただくことが治療の基本となります。




むし歯
むし歯はプラークという口の中の細菌が作り出した物質によって起こります。そのプラークは歯の溝や歯と歯の間などに停滞しやすく、そこから虫歯が発生します。

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初期
中期
後期
末期

1.
初期 エナメル質内にむし歯がとどまっている状態が初期です。この段階では適切な処置を行うことによって、歯を削ったりすることなくむし歯の進行を抑制することができます。ただこの状態では自覚症状がないので、歯科医院でレントゲンを取り精査しないと発見できません。
2.
中期 次の段階ではむし歯が象牙質まで進行します。この状態では虫歯の部分を削り、適切な材質で注意深く封鎖する必要があります。この段階ではおおむね2回の来院で治療が終了します。中期では象牙質への進行具合によりしみたり、痛んだりとい う自覚症状がないことがあります。むし歯による穴が開いたり、しみたりするなどの自覚症状はかなり象牙質まで進行したものと考えたほうがよいでしょう。
3.
後期 むし歯が歯の神経にまで及んだ状態です。冷たい水や食べ物を食べたとき強い痛みが起きます。さらに進むと何もしないでも痛みが続くようになります。それを放置しておくと神経が死んでしまうために一時的に歯の痛みがなくなりますが、その後神経組織が腐って化膿し、頬が大きく腫れたり、痛みが出たりします。歯の神経の治療は難しく、何回もの通院が必要となります。
4.
末期 歯の神経を取ったり、化膿した歯の治療をすると痛みや腫れがなくなるので「治った」と勘違いし、通院をやめてしまう患者さんがいます。しかし神経の治療を完了し、むし歯で開いた穴を修復しないと、さらに進行し、やがて根だけになってしまいます。この状態では抜くしか治療法がありません。


歯周病
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歯は歯根膜(骨と歯をハンモック状につなげている繊維性の組織)歯槽骨(歯を支えている骨)歯肉などの組織によって支えられています。図のように歯と歯肉の間にプラークが入り込むことにより歯周病が起こります。歯と歯肉の間にできた隙間をポケットと呼びます。プラークを除去しないまま放置するとポケットが深くなり、やがて骨を溶かすようになります。

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 歯周病の進行度は図のような器具を使用し、ポケットの深さや出血を調べることにより測定していきます。 
初期
ポケットの深さが3mm程度のもの。歯の表面についた歯石の除去を行っていきます。 3mmから5mm 歯肉の中に歯石が入り込むようになって、麻酔をしての処置が必要となります。 
中期
ポケットが5mmから7mmのもの。歯石は歯の根のより深いところにつくようになり、その除去はより困難になります。そして、1回だけでなく複数回の除去の必要性、また歯周外科の必要性が出てきます。
後期
ポケットの深さが7mm以上のもの。歯周外科の可能性が高いといえます。この頃になると歯がぐらぐらしてくるのが目立ちます。歯の動揺への対処も出てきます。また場合によっては抜歯の可能性が高くなります。

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初期
中期
後期

以上の歯周病の進行程度と処置については一般の方にわかりやすいよう大まかな説明をしています。口の中の状態、どこに生えているか等により中期以降では治療法が異なることがあります。また歯周病ではポケットの深さ、出血指数、プラークスコアなど数値化したものを患者さんに提示することによって、その数値の変化によって歯周病のコントロール状況をお互いに把握する。すなわち糖尿病や高血圧といった病気と同様な''内科的''なかかり方が必要になってきます。