2016年03月16日
インプラント治療の病診連携を求めて

 3月13日日曜日、松本市のホテルブエナビスタにおいて、長野県インプラントネットワークミーティングが開催され、出席してきました。

 私は以前お話したように、診療所においてインプラントの植立手術は行っていません。

 当日のアンケートにも記入しておいたのですが、年間症例数が少なければ、いくら卒後研修で学んでも、テクニックの向上にはつながらないと考えているからです。

 それより、症例数の多い大学病院に依頼した方が、患者さんにとってもメリットが多いと判断しているからです。

 その代わりに、上部構造部としてのクラウン(上にかぶせる人工の歯)に関するテクニックは、従来学んできた補綴という被せ物に関しての学問の知識および技術を応用できるので、今までのキャリアが活かされ、そのことについてより追求した方が患者さんのためにもなると考えているのです。

 そういった意味から、インプラント治療の病診連携を図ろうと、私が幹事だったころ松本の歯科医師で作るスタディグループに、信州大学の口腔外科から先生をお呼びして講習会をやっていただいたこともありました。

 

 さて病診連携というと、一般的には診療所から、難しい抜歯や、矯正などの症例において、大学病院など専門機関に依頼する場合が多いです。そしてその処置は専門病院内で解決、完結されることとなります。

 一方インプラント治療の場合、一次治療として大学病院でインプラントの植立処置を行い、開業医で上部構造物でクラウンを装着するという、共同での作業となります。

 その場合、予後のトラブル(何年目かに問題)が生じた際にどちらの責任かという、その所在が問われることとなります。そういった危惧があって、診療所との連携を拒んでいる機関もあります。

 このような問題を解決していくには、開業医と病院の歯科医が集まって、開業医の診療スタイルや症例を提示し、病院の先生方に信頼してもらう機会を設ける必要があるなと感じました。


 
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