2017年07月29日
詰め物や被せ物が取れてしまったら 歯の命を守るために大切な事

 歯に詰めた詰め物や被せ物が取れてもすぐに来院されない患者さんがいらっしゃいます。

 でもそれは大変危険な行為です。なぜなら取れた詰め物の表面、被せ物の表面は固いエナメル質という組織ではなく、象牙質という組織が露出しているからです。

 象牙質はエナメル質に比べ柔らかで、また虫歯も進みやすいです。しかもすでに歯の表面を削っているので、神経までの距離も短くなっており、神経の処置をする危険性が強くなっています。

 単に詰め物や被せ物を作り直すだけなら、2回か3回の通院で済みますが、神経の治療をするとなると一か月以上かかるケースも多くなります。さらに歯の神経をとると、それは「枯れ木」と同じ、歯の破折や歯の根の破折などを招きやすくなり、抜歯の危険性が増大します。歯の神経の治療をするという事、歯の神経をとるという事は、歯の命を奪ってしまうことと同じだと考えてください。(もちろん歯の神経をやむを得ずとることもあります。)

 その他、時間が経てば経つほど、反対側の歯や両側の歯の移動が起こり、詰め物や被せ物が合いにくくなります。

 詰め物、被せ物を作り直すために、また歯を削る必要性が出てきたら、それだけ神経の治療をする可能性が増してきます。そして神経の治療をするという事は、それだけ抜歯の危険性も増すということです。

 

 もし、詰め物や被せ物が取れたら、それをビニール袋かプラスチックケースなどに保管し、早めにご来院ください。(ティッシュにくるんでもよいのですが、ご家族やほかの人にごみと間違えられて捨てられる場合があります。)

 取れた詰め物や被せ物は決して捨てたりしないでください。新村歯科医院では、詰め物や被せ物の一部があっていなくても、その部分だけ合成樹脂で補修して、なるべく再製はしないようにしています。それは先の書きましたように、削れば削るほど、神経をとる危険度が増すためです。

 嫌いな歯科治療かもしれませんが、それを少なくするためにも、早期にご来院いただくことをお勧めします。


 
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